じぶんらしく、いきるばしょ。つくしハウス

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「つくしコラム」では障碍のこと、福祉のこと、働くこと、生きていくことを医療的な観点からお届けしていきます。

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つくしコラム

理事長 あいさつ

テキスト/理事長公開/2016.5.2

特定非営利活動法人つくしの理事長の遠山照彦です。

私が精神科医としての研修を始めた30年あまり前のころ、精神科医療は、まだ外来も十分ではなく、精神科クリニックもごくわずかで、デイケアも全国で数えるほどしかありませんでした。精神疾患になれば、入院か退院か二者択一の時代でした。退院しても通院を止めてしまい、再発して再入院になってしまうことが多い時代でした。また、何年も精神科病院に入院している人が25万人ほどいました(これは、現在でもまだ続いていますが)。当時の精神科医療と言うと、そんな状況でした。海外の先進国では、精神科病院が縮小され、地域医療・福祉が発展しているというのに。

そうした遅れた日本の精神科医療に、大きな変化をもたらしたのが、ちっぽけな「共同作業所」だったのです。1975年頃から設立が始まり、あっという間に全国各地に広がりました。そうです、地域で暮らす精神障碍のある人たちにとって、「居場所」や「マイペースで働ける場」が、待ち望まれていたのです。

ある先輩の精神科医は言いました。「共同作業所こそ、戦後の入院中心主義の精神科医療にとって、革命的事件だ」と。事実、共同作業所のお蔭で、再入院が減りました。入退院を繰り返していた人にとって、地域で生活し続けるよりどころができたのです。

「つくしハウス」も1993年に、京都市内では6番目にスタートしました。家族や有志が中心となって寄付を集めました。初めは賃貸マンションの一室から、次に古い町屋に、そしていまの相模ビルへと、外観は大きく変わって行きました。しかし、開所以来30年余り、利用者の皆さんの「居場所」となり、利用者が元気になるように、自信を回復し生きる希望(生活目標)を見いだせるようにと、運営方針は一貫していたつもりです。

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精神障碍(発達障害もふくむ)は、人間ならば誰でもなる可能性があります。

たまたま人生の初期に、アクシデント・事故にあったみたいに、障碍をもってしまった。そこから回復するには、長い道のりがあります。誰が悪いせいでもないのに、「なんで私が?」と思ったことでしょう。もっともな怒りです。

精神科医療は発展したといっても、薬の効果は限定的です。リカバリー(回復、人生の再発展)には、薬は必須ですが、それだけではリカバリーできません。

リカバリーとは、障碍のある状態になった人が、再び希望を取り戻し目標を見出して、生活の発展のために幸せになるために、挑戦する人生を歩み続けることです。そして、「まあ障碍があっても、そこそこ今の暮らしに満足してるし、友達もいるし、これからの夢もある」といった状態に達することです。

リカバリーは、生活全体にかかわっています。狭い意味での医療だけでは、それはなしえません。本人の治ろう、前進しようとする努力と、家族やその他の支援者の支援と、地域で生活していくための施設や制度の活用も必要です。「つくしハウス」は、そういった地域の施設・地域の支援者の一つです。

「つくしハウス」では、P1040982ひとりひとりの利用者のよいところ(ストレングス=強み)をとらえて、一人一人に合った支援を考え、利用者ひとりひとりが元気になり(エンパワメントされる)、リカバリーしていくことを、基本方針としています。何故ひとりひとりなのかって? ひとりひとりのよさや希望は、それぞれ違っていますから。

「つくしハウス」を利用することで、あなたが元気になりリカバリーしていくきっかけとなったなら、こんなにうれしいことはあません。

(2016年5月)